株式会社ウッドワーク 株式会社ウッドワーク

桶の側板の節どめ作業を、手際よくこなす上芝雄史さん(1950年生まれ)

株式会社ウッドワーク

ウッドワークの皆さん。上芝さん(手前)と弟の藤井泰三さん、父の藤井嘉夫さん、職人の大江誠一さん、鈴木示千(みち)さん

株式会社ウッドワーク

桶の底板の側面を削る大江誠一さん。酒どころ伏見の桶づくりの技を受け継いでいる

株式会社ウッドワーク

桶の底板を入れる作業。桶の縁に立つ2人と、中に入る1人の計3人がかりで、縄をかけた柱を満身の力で振り下ろし、底板を叩きこんでいく

 

 


ここ十数年間ジワジワと、木桶の再評価が

セーラさんの頑張りや、この「桶仕込み保存会」の動きもあって、ここ数年、大桶の注文や問い合わせが増えています。また、これまでのうちとのつきあいから、木桶に関心をもってくださった酒屋さんや味噌屋さん、醤油屋さんに酢屋さん、漬物屋さんなど、少しずつ増えておられます。これは桶屋としては、大変うれしいことです。

実は、ここ十五年ほど前からジワジワと、木のモンの見直しが始まってはいました。

酒屋の杜氏(とうじ)さんが、「やっぱりどうしても木のモンで、ワシは仕込みたい」とおっしゃって、蔵に眠っていた古い木の道具や甑(こしき)をもう一度、引っぱり出されたり。あるいは、桶で味噌・醤油、酢や漬物をつくり続けてきた方々からも、桶のメリットが再評価され始めています。ホーロータンクに仕込んでおいたのでは出ない、よい味や香りが、木桶に仕込んでおくと出る。それはなぜなのか・・とね。

関心ある若いモンが、大桶づくりを体験しないと大桶づくりを体験しないと

私の祖父が桶屋を始めた当時、大きな桶をつくる桶屋の中では、うちは新参のほうでした。それがいまや、わずか数軒残る桶屋のひとつとなってしまいました。それで最近では、大桶の質問や注文が、うちに集まってきます。それでも、「桶の注文が増えた」と私とこがはしゃいでいられるのなんて、数年のことやと思う。そんなことより、桶をつくる技術の種があちこち蒔かれておって、若い桶屋が芽を出しよるほうが、ずっといい。

大きな桶づくりというのは、チームワークです。大桶をつくるとき、関心のある若いモンが2〜3人集まって、私らの指導のもとに苦労して、つくっておく。そういう実践を重ねていくと、将来の展望は少し明るいかなぁと思うんですよ。技術というのは、本やビデオで伝えるには限界がある。もっと五感が全部作用する、そういう世界ですから。

普段は別の仕事をしていても、大桶組むときは、ワッと集まって一緒に仕事する。そんな何らかのネットワーク、いまある技術を次に伝播できる集団が、ほしいですね。

桶屋の仕事は、当然ながら技術のレベルが問われます。今後は、一定のレベルを切ったものは「桶とは言えないよ」と指摘するような基準を桶屋がお互いにつくり、研修しあったり、競争しあうことが必要です。そうして初めて桶業の継承もありえるだろうし、醸造業に限らず桶を使ってもらえる場面も増えていくと思う。そうして、「桶屋でメシが食える」という時代が若いモンたちに来れば・・一番いいでしょうね。

●桶を巡るセーラ(・マリ・カミングス)さんの考えは、
 「桶の話」の「百五十年の循環〜日本人はなぜ桶を捨てたのか〜」をごらんください。 

●ウッドワークと桶をめぐる上芝さんのお話は、
 「桶の話」の「四人の話」のコーナーにある「いいとこ取り」でもごらんいただけます。

 

大阪

桶仕込み保存会事務局 〒381-0201 長野県小布施町500 TEL.026-247-7511 FAX.026-247-6369 E-mail: info@okeok.com