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中国は、石の国です。だけど、日本文化をバカにしちゃぁいけないんですよ。
「日本は昔、何にもなかったじゃないか。中国は、万里の長城まである。中国にはものすごいものがある、兵馬俑(へいばいよう)もあるじゃないか」と言うけど、あれは石だから腐らないだけですよ。
日本はもう木の文化だから、素晴らしいものを作っても、何百年過ぎたら土の中で朽ちてしまう。日本の文化は、ものすごく木に支えられた歴史を持っているんです。そしていまの味噌にしても、素晴らしいのは、木の持っている素材。これが、ものすごく日本人には合っているんですよ。
いまひとつはね、木というのは、よく見ると多孔質(たこうしつ)になっているんです。つまり、爪をちょっとあてたら食い込むくらいの軟らかさですからね。ホウロウタンクに爪をたてたら、もう、指が折れてしまう。しかし、桶に爪を立てても、そうならない。桶の表面を顕微鏡で見ます。電子顕微鏡だとものすごくよくわかります。すると、皆さんの手を虫眼鏡で見ると、毛穴が見えますね。あぁいうのが、びっしりと顕微鏡で見える。
あの中に、昔は固定化して、醤油の酵母や乳酸菌なんかがいっぱい入っていたから、昔は家つき酵母の醤油とか、家つき乳酸菌の味噌なんていうものができたんですよ。いまは「不潔だから」なんて言って、みんな桶をやめてタンクに入れて、(しかも使い終わると)ゴシゴシ。タンクなんか、お湯で1回洗ったらお終いだからね。家つき乳酸菌も、家つき酵母もあっという間にいなくなっちゃう。だけど、味噌蔵とか醤油蔵には、そういう家つき菌がずーっと残っているんです。
あの、
木の桶の孔、チビチビいっぱい孔が空いている。その孔の大きさ、どのくらいかというと、例えば乳酸菌だったら、1mmの5,000等分の1の大きさなんです。信じられないですけれども、5ミクロンといいますが――そのぐらい小さいわけです。そうするとちょうど、後楽園球場が毛穴の大きさですね。微生物はそこに出入りする人間の大きさなんです。
だから、この中には実はビッシリと微生物が詰まっていて、固定化・生物反応層、バイオリアクターになっているんです。そういう風にして、いっぱい家付きの、家に住んできた微生物までを、木は――桶は、大切に抱いてくれていたわけですよ。そういう意味からして、桶というものが、日本人の文化からどんどん離れているのが、実は日本の生活文化から離れていくのと同じなんですね。
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桶仕込み保存会事務局 〒381-0201 長野県小布施町500 TEL.026-247-7511 FAX.026-247-6369 E-mail:
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