桶トーク2:パネルディスカッション
●モデレーター
 米倉誠一郎
 (一橋大学イノベーション研究センター教授)

●パネリスト
 梅原真(デザイナー・プランナー)
 上芝雄史(株式会社ウッドワーク
 藤井製桶所代表取締役)
 セーラ・マリ・カミングス
 (株式会社桝一市村酒造場取締役)

●友情出演
 小泉武夫(東京農業大学教授)
 野中ともよ(三洋電機代表取締役会長)
 辰巳琢郎(俳優)
 小坂憲次(文部科学大臣)  
 以上、登場順
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戦後もずっと木桶仕込みの酒蔵は1軒だけ!
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米倉
ところで上芝さん、セーラ・マリ・カミングスが言い出すまで、日本の酒蔵ではほんとうに、どこも桶を使わなくなっていたんですか?
上芝
えー、残念ながら、木桶仕込みをされているところはなかったですね。
米倉
ええっ、1軒もなかったの?!
上芝
1軒だけ、木桶仕込みされているメーカーさんはありました。ただしそれは木桶仕込みというよりドブロクというか、伊勢神宮のお神酒(おみき)をつくっておられるメーカーさんが木桶で、ずーっと70年間、木桶でつくられてまして。そこだけです。
しかし、それは市販酒じゃなくて、あくまでも神社庁に納めるお神酒ですからね・・・。だから、今回のセーラさんの動きが(桶仕込みが戦後、いったん絶えて以来では)、初めてになります。

米倉
しかしだよ・・金髪女に言われなくちゃ、桶でお酒さえつくってなかったというのは、どういうことなんですか? ・・まぁ、僕が上芝さんを責めても、しょうがないんですが。(笑)
上芝
私も十年前に「桶仕込みをしましょう」と、何軒かの蔵元さんに提案したんですよ。でも、「そんな(桶みたいに)雑菌のつきやすいもので、誰が酒を仕込む?」という意見が多くて・・。

やはり日本人に言われても、ダメなんですねぇ。ブロンドの金髪娘が言うと、蔵元さんも、コテッっといきますね。(笑)
そらぁ、すごいと思います。やはり、その威力というか、パワーというか・・。

米倉
まぁ、それはかねがね知っているんですけれども。(笑)
だから、こんなことになっちゃったわけですけれども。
 ――さて、梅原さんが酒が好きだってことは、以前から知っているんですけれども。この桶仕込み保存会に巻き込まれたのは、どういう経緯からですか?
梅原
実は僕、今日は土佐の高知から上京してきたんですけれども。5年ぐらい前にセーラさんから、この桶の話を聞いて、「まったく同感!」と思ったんです。だからコツコツと裏方でパンフレットをつくったり、いろいろとしてきたわけです。
米倉
今日のパンフレット、ポスターは、みんな梅原さんにつくっていただきました。(拍手)
梅原
ま、セーラさんが言うことを形にしていく、ボランティアチックな裏方ということだったのに、何でこんなところに出てきて話してるねン?ということですが。(笑)
 セーラがいまの調子でワンワン言うから、最後は「もう、わかったわかった」状態で世話みなきゃアカンという状況でして。(笑)

とはいえ私は、巻き込まれているとは思っていません。一番最初に「ほんとにそうだ!」思いましたからね。まぁ、そういう状況だけは、お伝えしといたほうがいいかなということで。
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