桶トーク2:パネルディスカッション
●モデレーター
 米倉誠一郎
 (一橋大学イノベーション研究センター教授)

●パネリスト
 梅原真(デザイナー・プランナー)
 上芝雄史(株式会社ウッドワーク
 藤井製桶所代表取締役)
 セーラ・マリ・カミングス
 (株式会社桝一市村酒造場取締役)

●友情出演
 小泉武夫(東京農業大学教授)
 野中ともよ(三洋電機代表取締役会長)
 辰巳琢郎(俳優)
 小坂憲次(文部科学大臣)  
 以上、登場順
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台風娘が吹けば、桶屋がもうかるって?
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米倉
セーラさん。木桶で「お酒をつくる」としても、まず「桶がない」とか、「仕込める杜氏がいない」とか――実際に仕込むまでに、どれくらい障害があったんですか?
セーラ
やっぱり昔は、道具をつくる人、山で木を伐る人、カンナの準備をする人、竹林をちゃんと管理できる人とか、いろんな人がいたんですね。ひとつの桶ができるまでには、逆算していくとほんとうにいろんな人がかかわっていました。それだけ大変な作業なのに、いまは(桶をつくる産業が衰退したために、関連する職人が減り)、すべてを桶屋さんが肩に背負っていまして。その負担が、重すぎるものになってしまっています。

とはいえ、その清水桶屋さんが我々のために、「よし、わかった。もうひと踏ん張りすっか」「わしは、やる」と言ってくれて。それで、桶を5本まで作ってくれることになったんですが・・・。
米倉
5本って、合計?
セーラ
桝一のために、5つの桶ができることになったわけなんですが、残念ながら我々お世話になった清水桶屋さんは、昨年この世を去りました。だからこそ、いまのうちに(桶造りの技術継承を)やらないと!

上芝さんはこれまで30年間、全国どこかでニュースに桶屋さんや桶の話題が出るたびに、ご自身でそこに飛んでいって調べて、記録をずーっとされてきた方です。実は私と上芝さんのご縁も、私が上芝さんを見つけたのではなく、上芝さんが私に手紙をくださって、わざわざ小布施まで来ていただいて。そこからご縁が始まったんです。

それで、上芝さんが持っている全国の情報を聞くと、私が思っていた以上に桶は深刻な状況にあることがわかりました。そのとき、私は既に「台風娘」と呼ばれていましたから、「風が吹けば桶屋がもうかる」で・・。(笑)
これは自分の出番だ! 何とかしなきゃ!と思いまして、動き出しました。

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