桶トーク2:パネルディスカッション
●モデレーター
 米倉誠一郎
 (一橋大学イノベーション研究センター教授)

●パネリスト
 梅原真(デザイナー・プランナー)
 上芝雄史(株式会社ウッドワーク
 藤井製桶所代表取締役)
 セーラ・マリ・カミングス
 (株式会社桝一市村酒造場取締役)

●友情出演
 小泉武夫(東京農業大学教授)
 野中ともよ(三洋電機代表取締役会長)
 辰巳琢郎(俳優)
 小坂憲次(文部科学大臣)  
 以上、登場順
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酒屋の旦那文化は、桶づくりも支えてきた――?
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米倉
でも、そういう技が、みんな消えちゃうと。そういえばもともとセーラさんも、「お酒を桶でつくって欲しいな」っていう話を耳にしたのは、味噌・醤油屋さんからだっけ・・?
セーラ
ちょうど今日も来られてるんですが・・。上田市(長野県)にある味噌屋さん・・立って下さ〜い。
(長野県上田市から来られたお味噌屋さんが立って、一礼。会場から拍手)
セーラ
・・恥ずかしい思いをさせてしまって、申しわけありません。ありがとうございます。
私が酒の仕事を始める前に、お味噌屋さんにお邪魔したんです。お店の入口のショールームには、賞がたくさん飾ってあって。奥の味噌蔵の中に入ると、私がもともと酒蔵に期待していた雰囲気が、そのままあったんです。すべてが木でつくられていて、桶は全部木桶で。そういう蔵の姿を見るとやっぱり神秘的で、想像を超えたところがありました。

ところが聞いてみたら、その蔵の桶はみんな、酒屋さんから譲ってもらったものだそうです。それを修理して使える間はいいけれど、いまの桶を使えなくなったら、(酒屋はもう桶を使わないから、今度は桶をゼロから造らないといけないから)困ります・・という話を聞いたんです。

そういう話を聞いて、なるほど、これも酒蔵の旦那(だんな)文化だなと。酒屋の旦那がまず最初に新桶を発注しなきゃ、日本の桶の文化は継続できないのではないかなと思ったんです。

やっぱり、水分である酒が漏れると大変なことになるし、それだけでも倒産する酒蔵がでるぐらいですから、かつては毎年毎年、酒蔵が確実に新しい桶を必要とした。その酒屋向けの仕事があったから、桶屋さんもうまく仕事がやりくりできたんじゃないかな?・・と思ったり。

ただ、うちの桝一はいま300石の小さな小さな酒蔵なんですから、我々が桶を使うぐらいでは、桶屋の後継者づくりはできません。だから、もっともっと桶の需要が上がっていかないと、継続できないという危機感を感じていました。

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