●モデレーター
米倉誠一郎
(一橋大学イノベーション研究センター教授)
●パネリスト
梅原真(デザイナー・プランナー)
上芝雄史(株式会社ウッドワーク
藤井製桶所代表取締役)
セーラ・マリ・カミングス
(株式会社桝一市村酒造場取締役)
●友情出演
小泉武夫(東京農業大学教授)
野中ともよ(三洋電機代表取締役会長)
辰巳琢郎(俳優)
小坂憲次(文部科学大臣)
以上、登場順
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米倉
実際に桶を新しくつくった桝一市村酒造場の場合、桶に「戻す」一番の問題点は、何でした?
セーラ
いまのところは順調ですが、地元に桶のアフターケアが出来る桶屋さんを育てておかないと、あとで大変になるかもしれない。それに、これから新しい桶を発注する場合にも、後継者がいないことが一番の問題です。
いま、すーごくありがたい追い風に吹かれているなかで、上芝さんには抱えきれないほど桶の注文が来るわけですが、でも、後継者がいないんですね。
あと、桶屋の皆さんがよい仕事をしているという情報が、タイムリーに必要な人へと流れてゆくこと、情報が人と人を結んでいくことが大切だと思います。ですから、こうした会を通じて、もっとネットワークを活かしたりできたら、ありがたいなと思います。
米倉
これをきっかけに、NPO法人「桶仕込み保存会」がスタートするんですけれども。いまセーラが言ったようなネットワークをきちっとつくって、どこで何が起こっているのか、どういうものが必要かという情報を流すのは、すごく大事ですよね。
もう一つ、桶職人ばかりじゃなくて、杜氏(とうじ)にせよ、いろんな職人さんたちのための奨学金を創ろうっていうのは、どのようなアイディアなんですか?
セーラ
なかなかね、桶屋さんはいま一人で仕事をやっていくのもやっとですから、弟子を抱えるのも大変です。三日坊主になったり、なかなか継続してくれるかどうかわからないし。だけど幸い、桶屋さん自身は「教えたい心」が十分にあるわけです。ですから何かしら、技術継承をサポートできるしくみが出来たらいいなぁ、と思っています。
昔の(「見て盗め」的な)教え方だけではなく、学校で学ぶような形も必要でしょうし、インターネットでokeok.comというページ(桶仕込み保存会のホームページ)があるので、何か問題があった時に、質問を聞いて、ちゃんと専門家が答える、インタラクティブな形で情報交換ができたらいいと思うんです。
今日のように、こうした贅沢な形で皆さんが集まっていただくことも、たまにはできるとは思うのですが、集まれない時でも、ネットを通じてつながりをインタラクティブにできたらと思います。
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米倉
桶職人さんは、大体何人くらいいるんですか?
上芝
会場に来ていただいた方たちが、私が知る範囲のほとんどの方です。職人と呼べる人は、大体5人くらいでしょうか・・・。
米倉
え? 5人!!
上芝
はい・・・。
米倉
あら〜っ。ちょっと、天然記念物の皆さん!(笑)
上芝
いや、先ほど申し上げたように、一人でお櫃(ひつ)や飯台(はんだい)をつくられる方ならば、全国で100人くらい、現在もおられます。ただ、大きな桶をチームを組んでつくれる職人さんは、全国で5人くらいですね。
実際に、全国で使われている1.5m以上の桶は、4000本前後だと思うんですね。ここに300本、あっちに100本ぐらいあると、そういうのをずーっと足していくと、4000〜5000本の間だろうと思います。でも、その桶が100年とかもたれると、いささか、やっぱり桶屋が維持していくのが大変ですよね。
米倉
大変ですよね。いまセーラさんが言ったように、「弟子にして下さい」と言って来ても、根性のない若者が親方に「バシッ」と殴られて「もう辞めます」とか三日坊主じゃ、しょうがないですし。親方も、もう年金生活者だから、「弟子なんか雇ってられる状況じゃない!」ということであったりすると、これはやっぱり体系的なサポート態勢を皆でつくっていかないと、難しいでしょうね・・・。
上芝
そうですよね、多分。おそらくセーラさんがおられなかったら、そのまま消えていたと思いますけどね・・・。全員、全滅です。
米倉
・・ここは、泣くところでしょうかね・・。
セーラ
まだ、安心できるところじゃないですから。まだまだ、これからですから。
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桶仕込み保存会事務局 〒381-0201 長野県小布施町500 TEL.026-247-7511 FAX.026-247-6369 E-mail:
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